数理基礎・数理応用
数理基礎
「数理基礎」は、平成7年度の文部省の研究開発という事業の中での新科目のーつとして設定されました。そして、平成14 年度の文部科学省のスーパーサイエンスハイスクールという事業の中でも、科目のーつとして設定しました。その理由は、科学や技術の法則は数式で表現するこ とがとても多いのですが、それらの数式を取り扱うには中学校までの学習だけでは十分ではありません。そこで、今後学ぶ理科や専門科目で取り扱う数式に慣れ そして親しむための科目として、この数理基礎を設けましたいわば,理科および専門科目をわかりやすく学ぶための「架け橋」の役目をする科目であると考えて ください。少し具体的に言うと、
1. 数式の取り扱いに慣れる
2. 基礎的な計算処理方法を身につけ、事象を文章化し、方程式を組み立てる能力および計算力を養う
3. 基礎的な計算、理科や工業の応用的な問題を通じて理科および専門科目への導入を図る
4. 一般法則を数式的に処理する能力を養う
などです。
2 年生になると、各学科に分かれて学習することになりますが、このテキストの練習問題には各分野の特徴ある問題がたくさん出ています。この科目を学びながら「2 年生でどの分野を選ぶか」の参考にもしてください。
このテキストは、みなさんが学びやすいように本校の教員が創意・工夫して、作製しました。この科目を1 年間楽しく学習して、 2 年生になったときに、理科や専門科目がより深く理解できるようにがんばりましょう。
数理応用
「数理応用」は、 科学技術を志向する工業課程の専門高校が昨今の大学進学希 望者の増加(特に理工系大学)に対応するために、理工系大学における学部教育 への接続をよりスムーズにすることを目的として、平成14年度から平成16年度にかけて「数理基礎」の続編という位置付けとして本校で作られた教材です。
その後、平成17年度から平成21年度にかけて「未知な課題への挑戦力-いどむ力」の育成を一層強化するために、工学的な視点をできるだけ維持しつつ も、より数学的な視点を付加する作業が行われ、「数学さきがけ」に改訂されましたが、ディジタルアーカイブズとしての公開の際に「数理基礎」との整合性をはかるために再び「数理応用」に名称 変更 されました。
「数学応用」は, 物理や化学ではありませんし、工業でもありませんが、物理や化学、工業の題材がふんだんに出てきます。一見、独立に見えるそ れぞれの事象が、実は非常に関連があるということは少なくありません。「数理」 という視点で、科学技術の基礎部分をしっかりと有機的につなげ、「なぜ」「どうして」という気持ちを大切にして、自ら、より深い理解を求めるよう、がん ばってください。